現在、インフルエンザが1999年以降で過去最多の感染者数で流行していると
報道されています。今シーズンはまだまだ風邪やインフルエンザに注意しないと
行けませんね。
何か日頃からできる対策はないのでしょうか?
感染経路としては、
飛沫感染 と 接触感染 です。
感染者からの咳や、くしゃみ、会話した時の口から飛び散る飛沫を吸い込む事や
ウイルスが付いた手で、口や鼻、目を触ることで病原体が体内に侵入します。
であれば、外出時はマスクの着用・こまめな手洗いは有効な予防法ですね。
(皆さん、よくご存知だと思います。)
では、同じ環境下にいても風邪をひきやすい人、ひきにくい人の差は何でしょうか?
ウイルスの表面には糖タンパクが存在しており、それが体内の細胞にピチャーと
張りつこうとします。鼻、喉、肺など ウィルスはどこの細胞でもよいので
先ずは結合を試みます。
そして、次の段階へ。 ウィルスは基本的に宿主に潜伏していないと生きて
いられません。付着に成功したウィルスはどんどん数を増やす事を目指します。
こちら人間側としても、黙って増殖を許すわけにはいきませんね。
身体は免疫機能をつかってウィルスをやっつけます。
そのせめぎ合いに、打ち勝つか・負けてしまうのかの差で
感染症状を発症するかしないかの差となります。
全然、風邪なんてひかないよ。って方はこの初期段階に
おいて抵抗力が充分なのでしょう。
でも、残念ながらウィルスによる侵入を許してしまった細胞は戦いに敗れ、
死滅してしまいます。侵入に成功したウィルスは、次は隣の細胞、また
その隣の細胞へとどんどん活動の場を拡げていきます。
こちらとしては困りましたよね。これ以上細胞を破壊され続ける訳にはいきません。
鼻では、鼻水をたくさん出しウィルスを対外へ排出。
喉、肺では、咳反射により少しでも多くのウィルスを体外へ排出。
それでも、しぶといウィルスには発熱により免疫細胞の働きを活性化して
免疫細胞の活躍でウィルスをやっつける。
そう、お気づきだと思いますが厄介な風邪症状はウィルスに対しての抵抗の証です。
あぁ風邪っぽいな。鼻みず、のどの痛み、咳がではじめたなぁっと感じ始めたら
免疫機能が戦闘モード開始です。
うーん、何か免疫細胞の手助けはできないものでしょうか。
発熱することにより、体内の水分は自然と奪われて行きます。
脱水症状になる事で、抵抗する力は最大限発揮できませんので
水分補給はとても重要です。身体をベストコンディションに
持っていってあげる事で免疫機能もしっかりと働いてくれます。
短期間でウィルスに打ち勝ってくれるのが、理想ですが
長引く咳で夜、眠れない。高熱が続き、体力の消耗が著しい。
そんな時は、市販薬による対症療法も選択肢として考えてみましょう。
※注意※ お子さんやご高齢者、持病がある方は重症化の恐れも
ありますので医療機関を受診してください。
ドラッグストアに行くと、さまざまな風邪薬が置いてあると思います
自分の症状にあった市販薬を選択するのがおすすめです。
のど症状には喉の薬。 鼻症状には鼻炎薬。 発熱症状には解熱薬。
総合感冒薬もありますが、有効成分を各症状に
特化した市販薬を選択する方が治りが早いです。
もし症状が長引き、医療機関に受診する際には先生にこの薬を飲んで
いましたと伝えますと、何が効いて、何が効かなかったのか
先生も判断がしやすくなります。
また、市販薬には眠気を催す成分も含まれています。
パッケージの裏には
「服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください
(眠気等があらわれることがあります。)」と書かれています。
必ず確認し、仕事で車を運転なさる方は運転しないで下さい。
もし、仕事で車を運転しないと行けない方には
漢方薬も選択肢にあげられます。
風邪症状に効果がある漢方薬は
葛根湯、麻黄湯、桂枝湯、銀翹散(ぎんぎょうさん)
小青竜湯、麦門冬湯など 他にも多くの漢方薬があります。
ご自身の各症状に合わせた市販薬を選択してみて下さい。
話しがそれましたが、では日頃から出来ることはないでしょうか。
『鼻呼吸をフル活用』
ウィルスはある一定の温度と湿度環境下では感染力が低下するようです。
加湿器を室内に置き、室内環境を整えるのも有効ですが
手取り早いのが、鼻呼吸! 適度な温度、湿度環境を整え、
異物が鼻を通過しようものなら、くしゃみでたちまちウィルスを体外へ
排出してくれます。
『栄養と睡眠』
細胞の構成成分の多くはタンパク質だと以前のブログで書きました。
細胞膜は脂質で覆われていますのでタンパク質だけだと足りないですね。
やはり、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル
バランスの良い食事、身体をリカバリーする睡眠時間を
しっかりと取ることが抵抗力を落とさない事に繋がりますね。
『過度な心配を避ける』
おおらかな気持ちも大切です。
少しこほっと咳をしただけで、あぁどうしよう 急いで病院へ行かないと
過度に心配するのではなく。身体を冷やさず、温め、水分補給、早めの就寝
を心がけるだけで、翌朝には案外けろっと治っているものですよ。
黄色信号が出始めたなと感じたら、無理せず早めに休みましょう。
まだまだ、寒く乾燥もしています。
日頃から、ご自身の身体と向き合いながらこの冬も乗り切って参りましょう!
洛西 新林 和洛新堂 鍼灸マッサージ院事務所にて
亀山 洸彦